学研全訳古語辞典 |
もっとも
(一)
【尤も】いかにも。なるほど。「もとも」とも。
出典徒然草 四一
「まことにさにこそ候ひけれ。もっとも愚かに候ふ」
[訳] 本当にそうでございました。いかにも愚かでございます。
(二)
【最も】
①
非常に。たいそう。とりわけ。「もとも」とも。▽肯定文の中で用いる。
出典平家物語 二・教訓状
「まづ世に四恩候ふ。…その中にもっとも重きは朝恩なり」
[訳] まず世の中に四恩があります。…その中でとりわけ重いのは朝廷から受けた恩である。
②
〔下に打消の語を伴って〕少しも。全く。決して。
出典竹取物語 燕の子安貝
「をかしき事にもあるかな。もっともえ知らざりつる」
[訳] おもしろいことだなあ。少しもわからなかったことだ。
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