学研全訳古語辞典 |
や-つ 【八つ】
①
八(はち)。やっつ。また、数の多いこと。
②
時刻の名。およそ、現在の午前二時ごろと午後二時ごろに当たる。八つ時(どき)。
やつ 【奴】
①
人や動物を軽べつしていう語。
出典竹取物語 竜の頸の玉
「かぐや姫てふ大盗人のやつが」
[訳] かぐや姫という大悪党のやつが。
②
「こと」「わけ」「もの」などの意。◇くだけた物言いの中で形式名詞として用いる。
出典浮世風呂 滑稽
「どうも銭金(ぜにかね)といふやつはたまりませぬ」
[訳] どうも銭金というものはたまりません。◇近世語。
あいつ。こやつ。▽他称の人称代名詞。第三者を軽べつ、または、軽い親しみをこめていう語。
出典平家物語 四・競
「親しいやつめに盗まれて候ふ」
[訳] 親しいあいつに盗まれました。
参考
[一]は「やつこ」の変化した語。
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