学研全訳古語辞典 |
や-も
分類連語
①
…かなあ、いや、…ない。▽詠嘆の意をこめつつ反語の意を表す。
出典万葉集 八〇三
「銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむに勝れる宝子に及(し)かめやも」
[訳] ⇒しろかねも…。
出典万葉集 九七八
「士(をのこ)やもむなしかるべき」
[訳] 男子たる者、むなしく死んでよいものだろうかなあ、いや死んではならない。
②
…かなあ。▽詠嘆の意をこめつつ疑問の意を表す。
出典万葉集 九五五
「さす竹の(=枕詞(まくらことば))大宮人の家と住む佐保の山をば思ふやも君」
[訳] 大宮人が我が家として住んでいる佐保の山を思っているのかなあ、あなたは。◆上代語。
語法
「やも」が文中で用いられる場合は、係り結びの法則で、文末の活用語は連体形となる。
参考
「やも」で係助詞とする説もある。
なりたち
係助詞「や」+終助詞「も」。一説に「も」は係助詞。
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