学研全訳古語辞典 |
わなな・く 【戦慄く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
体や手足が震える。震え動く。
出典枕草子 すさまじきもの
「宵(よひ)より寒がりわななき居(を)りける下衆(げす)男」
[訳] 前夜から寒がり、(ぶるぶる)震えていた身分の低い男が。
②
声や音などが震える。
出典枕草子 なほめでたきこと
「神楽(かぐら)の笛のおもしろくわななき吹きすまされて」
[訳] 神楽の笛がすばらしく震え(ながら)澄んだ音色に吹かれて。
③
ざわざわと乱れ動く。ざわめく。
出典落窪物語 二
「下﨟(げらふ)の、物見むと、わななき騒ぎ笑ふこと限りなし」
[訳] 身分の低い者(たち)が、見物しようと、ざわめき大騒ぎして笑うことこの上ない。
④
髪の毛がほつれて、ばさばさになる。
出典枕草子 かへる年の
「髪なども…所々わななき散りぼひて」
[訳] 髪なども…あちらこちらほつれて、ばさばさになり散らばって。
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