学研全訳古語辞典 |
をんな 【女】
①
女。成人した女性。
出典徒然草 八
「久米(くめ)の仙人の、物洗ふをんなの脛(はぎ)の白きを見て」
[訳] 久米の仙人が、物を洗う女のすねの白いのを見て。
②
妻。恋人である女。
出典源氏物語 夕顔
「男は田舎にまかりて、をんななむ若く事好みて」
[訳] 夫は田舎に赴き、(都に残った)妻は若くて風流事を好んで。
参考
「をみな」の「み」が撥音(はつおん)化したもの。「をうな」「をむな」とも。中古以降の語。②のように、物語で「をとこ」と対(つい)で用いられるときには、男と愛情関係を持つ女をさすことが多い。
注意
「おんな(=老女)」とまちがえないこと。
女三の宮
分類人名
『源氏物語』の作中人物。朱雀(すざく)院の第三皇女で、幼稚で頼りないが上品で美しい。朱雀院の願いで光源氏(ひかるげんじ)は妻に迎えるが、柏木(かしわぎ)と密通し、薫(かおる)を生む。のちに出家する。
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