学研全訳古語辞典 |
はか-せ 【博士】
①
官職の一つ。「学生(がくしやう)」に学問・技術を教授し、研究に従事した。大学寮に明経(みようぎよう)・紀伝(のちに文章(もんじよう))・明法(みようぼう)・算・書など、陰陽(おんよう)寮に陰陽・暦・天文・漏刻(ろうこく)など、典薬(てんやく)寮に医・針・按摩(あんま)などの博士があった。
出典源氏物語 帚木
「あるはかせのもとに『学問などし侍(はべ)り』とて」
[訳] ある博士のところに「学問などをし(ようと思い)ます」といって。
②
博学の人。学者。物知り。その道の指導者。大家(たいか)。
出典源氏物語 桐壺
「弁も、いと才(ざえ)かしこきはかせにて」
[訳] 右大弁も、たいそう学問の才能にすぐれた博学の人で。
③
「節博士(ふしはかせ)」の略。⇒ふしはかせ
④
基準。手本。
出典徒然草 二二〇
「太子の御時(おほんとき)の図、今に侍(はべ)るをはかせとす」
[訳] 聖徳太子の御世(みよ)の(舞楽の音律を示した)図で、今に伝わっていますものを基準としている。
博士のページへのリンク |