学研全訳古語辞典 |
むくい 【報い・酬い】
①
お返し。お礼。▽ある行為の結果として身に受けるもの。
出典古今集 雑体
「我を思ふ人を思はぬむくいにやわが思ふ人の我を思はぬ」
[訳] わたしを思ってくれた人を思わなかったお返しなのであろうか。わたしの思う人はわたしのことを思ってはくれない。
②
応報。果報。▽特に、仏教的な考えで、前世(ぜんぜ)の業(ごう)に従って現世(げんぜ)で受ける結果のこと。
出典源氏物語 須磨
「かかる事も、前(さき)の世のむくいにこそ侍(はべ)るなれば」
[訳] このようなことも前世の応報だそうでございますから。
③
仕返し。報復。復讐(ふくしゆう)。
出典土佐日記 一・二一
「海賊むくいせむといふなる事を」
[訳] 海賊が報復をするだろうと言っているとかいうことを。
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