学研全訳古語辞典 |
いん 【因】
果の報いを生ずる原因となるもの。物事が起きる原因。◆仏教語。[反対語] 果(くわ)。
よす-が 【縁・因・便】
①
頼り。ゆかり。身や心を寄せる所。
出典枕草子 木の花は
「ほととぎすのよすがとさへおもへばにや」
[訳] (橘(たちばな)は)ほととぎすが身を寄せる所とまで思うからであろうか。
②
(頼りとする)縁者。夫・妻・子など。
出典方丈記
「もとより妻子なければ、捨てがたきよすがもなし」
[訳] はじめから妻子がないので、(出家にあたって)捨てにくい縁者もない。
③
手がかり。手段。便宜。
出典徒然草 五八
「嵐(あらし)をふせぐよすがなくてはあられぬわざなれば」
[訳] 嵐を防ぐ手段がなくては生きていけないことなので。◆上代は「よすか」。
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