学研全訳古語辞典 |
にく・む 【憎む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
憎らしがる。嫌う。いやがる。
出典源氏物語 帚木
「『異人(ことひと)の言はむやうに、心得ず仰せらる』とて、中将にくむ」
[訳] 「別の人が言うように、(私には)納得しがたくおっしゃる」といって、頭の中将は憎らしがる。
②
非難する。とがめる。反対する。
出典徒然草 一二
「『我は、さやは思ふ』など、争ひにくみ」
[訳] 「私はそのように思うか、いや思わない」などと言い争って非難し。
注意
(1)①は、憎悪の程度が現代語より弱い。「憎む」では強すぎる。(2)②の意味は現代語にはない。
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