学研全訳古語辞典 |
すず・し 【涼し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
涼しい。
出典笈日記 俳諧
「朝露によごれてすずし瓜(うり)の泥(どろ)―芭蕉」
[訳] 夏の早朝、とったばかりでまだ泥のついたままの瓜の表面が朝露にぬれ、いかにも涼しい風情である。
②
清らかに澄んでいる。曇りがない。
出典源氏物語 常夏
「秋の夜、月影すずしきほど」
[訳] 秋の夜、月の光が清らかに澄んでいるころ。
③
さわやかである。すがすがしい。さっぱりしている。
出典源氏物語 明石
「思ふことかつがつかなひぬる心地して、すずしう思ひゐたるに」
[訳] (明石入道(あかしのにゆうどう)は)念願がともかくかなった気持ちになって、すがすがしい思いでいたところ。◇「すずしう」はウ音便。
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