学研全訳古語辞典 |
さ-ばかり 【然ばかり】
①
その程度。そのくらい。そんなにまで。それほど。
出典徒然草 一〇
「この殿の御心さばかりにこそ」
[訳] この殿(=後徳大寺の左大臣)のお心はその程度であったのだろう。
②
非常に。とても。たいそう。
出典徒然草 二三
「さばかり寒き夜もすがら、ここかしこに眠り居たるこそをかしけれ」
[訳] 非常に寒い夜一晩中、(宮中の)あちこちに(下役人たちが)居眠りをしているのは興味深いことだ。◆副詞「さ」に副助詞「ばかり」が付いて一語化したもの。
しか-ばかり 【然ばかり】
分類連語
それほどまでに。これほど。
出典万葉集 六三一
「うはへなきものかも人はしかばかり遠き家路を還(かへ)さく思(も)へば」
[訳] 愛想のないものだなあ、あなたは。これほど遠い家路を追い帰すことを思うと。
なりたち
副詞「しか」+副助詞「ばかり」
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