学研全訳古語辞典 |
ひびき 【響き】
①
響き。音響。
出典平家物語 一・祇園精舎
「祇園精舎(ぎをんしやうじや)の鐘の声、諸行無常のひびきあり」
[訳] 祇園寺の鐘の音色は、この世のすべてのものは常に変化・生滅すると告げているような響きがある。
②
余韻。
出典源氏物語 浮舟
「鐘の音の絶ゆるひびきに」
[訳] 鐘の音が消えてゆく余韻に。
③
世間の騒ぎ。世間の評判。うわさ。
出典源氏物語 澪標
「かの明石(あかし)の舟、このひびきにおされて」
[訳] あの明石の上の船が、この(源氏の参詣(さんけい)の)騒ぎに圧倒されて。
④
蕉風俳諧(しようふうはいかい)での、連句の付け方の一つ。前句の情調の動きや句勢などを受けて付けるもの。
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