学研全訳古語辞典 |
あかし 【明かし・灯】
ともしび。あかり。▽多く、「みあかし」「おほみあかし」の形で、神仏の灯明の意に用いる。
あか・し 【明かし】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
明るい。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「その十三日の夜、月いみじく隈(くま)なくあかきに」
[訳] その十三日の夜、月がたいそう曇りもなく明るいのに。
②
清らかだ。偽りがない。
出典続日本紀 文武
「あかき浄(きよ)き直(なほ)き誠の心をもちて」
[訳] 清らかでうそのない素直で誠実な心によって。
明石
分類地名
今の兵庫県明石市一帯。海岸は「明石の浦」と呼ばれ、古来須磨(すま)と並んで名勝の地として有名。『源氏物語』第十三帖(じよう)の「明石」の巻の舞台としても知られる。
参考
形容詞「明かし」との掛け詞(ことば)となる。
明石の上
⇒明石(あかし)の君(きみ)
明石の君
分類人名
『源氏物語』の作中人物。前播磨守(さきのはりまのかみ)の明石の入道の娘。須磨(すま)に流された光源氏(ひかるげんじ)との間に姫君が生まれる。上京後この姫君は光源氏の妻の紫の上の養女となり、のちに中宮になって、母の明石の君も幸福な人生を送る。
明石の浦
分類地名
歌枕(うたまくら)。今の兵庫県明石市一帯の海岸で、明石海峡を隔てて淡路島を南にのぞみ、海岸の景色の美しい場所として名高い。
あか・し 【赤し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
赤い。
出典伊勢物語 九
「白き鳥の、嘴(はし)と脚(あし)とあかき」
[訳] 白い鳥であって、くちばしと脚とが赤い(鳥)。
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