学研全訳古語辞典 |
あ-・べし
分類連語
あるだろう。あるはずだ。あるにちがいない。
出典蜻蛉日記 下
「そのころ院の賭弓(のりゆみ)あべし」
[訳] そのころ院の賭弓があるはずだ。
出典源氏物語 行幸
「いとこまかに、あべきことども教へ聞こえ給(たま)へば」
[訳] 実にこまごまと(内大臣との対面に)必要なことをお教え申し上げなさるので。
出典源氏物語 胡蝶
「さもあべいことなれば」
[訳] それももっともなことですから。◇「あべい」はイ音便。
参考
平安時代、主として会話文に使われた。
なりたち
ラ変動詞「あり」の連体形+推量の助動詞「べし」からなる「あるべし」の撥(はつ)音便「あんべし」の「ん」が表記されない形。
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