学研全訳古語辞典 |
いはしろの…
分類和歌
「磐代の浜松が枝(え)を引き結び真幸(まさき)くあらばまた帰り見む」
出典万葉集 一四一・有間皇子(ありまのみこ)
[訳] 磐代の浜に生えている松の枝を引き結び、運よく無事でいられたら、また帰って来て見よう。
鑑賞
「磐代」は今の和歌山県日高郡南部(みなべ)町岩代(いわしろ)。有間皇子が、謀反の罪で捕らえられて護送される途中で詠んだ歌。松の枝を結ぶのは、旅路や将来の平安無事を祈るまじないであるが、皇子は、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)の尋問を受けた帰途、藤白(ふじしろ)の坂(和歌山県海南市藤白)で処刑され、再びその松を見ることはなかった。
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