学研全訳古語辞典 |
うかが・ふ
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
(一)
【窺ふ】
①
それとなくようすを探る。こっそりのぞく。
出典竹取物語 燕の子安貝
「籠(こ)に乗りて釣られ上りて、うかがひ給(たま)へるに」
[訳] かごに乗ってつり上げられて(つばめの巣の中を)それとなくようすを探られると。
②
ひそかに待つ。(機会を)ねらう。
出典枕草子 正月一日は
「粥(かゆ)の木ひき隠して、家の御達(ごたち)・女房などのうかがふを」
[訳] かゆのつえを隠し持って、家の年功を積んだ女房や若い女房などが(腰を打つ機会を)ねらうのを。
③
調べてみる。尋ね求める。
出典平家物語 一・祇園精舎
「近く本朝をうかがふに」
[訳] 最近の日本(の例)を尋ね求めると。
④
ひととおり知っておく。
出典徒然草 一二二
「弓射(ゆみい)、馬に乗る事、六芸(りくげい)に出(い)だせり。必ずこれをうかがふべし」
[訳] 弓を射ること、馬に乗ることは、六芸にあげられている。必ずこれらをひととおり知っておかなければならない。
(二)
【伺ふ】お尋ねする。うかがう。▽「問ふ」「聞く」「尋ぬ」の謙譲語。
出典平家物語 五・福原院宣
「院宣(ゐんぜん)うかがはうに一日が逗留(とうりう)ぞあらんずる」
[訳] (平家討伐の)法皇の命令書をお尋ねするためには一日は滞在することになるであろう。◆上代は「うかかふ」。
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