学研全訳古語辞典 |
うら-な・し 【心無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
うっかりしている。無心だ。安心している。
出典源氏物語 若菜上
「うらなくて過ぐしける世の人笑へならむ事を」
[訳] うっかりして過ごしていたことが人々の物笑いになるかもしれないことを。
②
隠し立てしない。へだてがない。
出典徒然草 一二
「をかしき事も、世のはかなき事も、うらなく言ひ慰まんこそうれしかるべきに」
[訳] おもしろいことでも、世間のつまらないことでも、隠し立てなく話して心が慰められたら、それこそうれしいものであるはずなのに。◆「うら」は表に出ない心の中の意。
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