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かたがたの意味

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学研全訳古語辞典

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かた-がた 【方方】

[一]名詞

方々(ほうぼう)。あちらこちら。


出典更級日記 かどで


「いみじうをかしければ、朝寝(あさい)などもせず、かたがた見つつ」


[訳] たいへん趣深いので、朝寝などもしないで、あちらこちらを眺めながら。


方々(かたがた)。▽「人々」の尊敬語。


出典源氏物語 桐壺


「はじめより、我はと思ひ上がり給(たま)へる御かたがた」


[訳] 宮仕えの最初から、私こそは(帝(みかど)の寵愛(ちようあい)をうける)と自負していらっしゃった御方々は。


あれこれ。いろいろ。


出典源氏物語 早蕨


「とかくやとかたがたに安からず聞こえなし給(たま)へば」


[訳] 何やかやといろいろに心中おだやかでなく申し上げなさるので。


[二]代名詞

あなた方。▽対称の人称代名詞。敬意をこめていう。


出典太平記 二二


「それがしが鎧(よろひ)にはかたがたのへろへろ矢はよも立たじ」


[訳] 私の鎧にはあなた方のへなへなの矢はまさか突き立たないであろう。


[三]副詞

別々に。方々(ほうぼう)に。


出典古今集 離別


「下の帯の道はかたがたわかるとも行きめぐりても逢(あ)はむとぞ思ふ」


[訳] 下着の帯が身に回されてもまた会うように、あなたと道が別々に別れるとしてもいつかまた行きめぐって出会いたいと思う。


あれこれと。様々に。


出典源氏物語 紅葉賀


「恐ろしうも、かたじけなくも、うれしくも、あはれにも、かたがた移ろふ心地して」


[訳] 恐ろしくも、おそれ多くも、うれしくも、いとしくも、あれこれと心が移り変わる気持ちがして。


いずれにしても。どの点から見ても。


出典平家物語 二・小教訓


「かたがたおそれあるべし」


[訳] いずれにしても(乱暴なことをするのは)(あとで)心配が起こるでしょう。








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