学研全訳古語辞典 |
こと-ざま 【事様】
①
物事のようす・ありさま。
出典徒然草 三二
「なほことざまの優におぼえて」
[訳] (自分は)それでもやはり、(この家に住む)人のようすが優雅に感じられて。
②
心のようす。人柄。
出典徒然草 一〇
「大方は、家居にこそ、ことざまはおしはからるれ」
[訳] だいたいのところ、家のたたずまいによって、(その家に住む人の)人柄は自然に推測される。
こと-ざま 【異様】
①
普通とは異なるようす。
出典源氏物語 宿木
「寝殿を失ひてことざまにも造りかへむの心にて」
[訳] 寝殿をとりはらって違った趣に改築しようというつもりで。
②
別の方面。別の人。
出典源氏物語 総角
「軽々しくことざまになびき給(たま)ふこと、はた、世にあらじ」
[訳] 軽率に別の人になびきなさるようなことは、まさかありはしないだろう。
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