学研全訳古語辞典 |
ざり-・けり
分類連語
①
〔「けり」が過去の意を表す場合〕…なかった。
出典伊勢物語 六
「『あなや』と言ひけれど、神鳴る騒ぎに、え聞かざりけり」
[訳] (女は鬼に食われて)「ああっ」と言ったが、雷の鳴るやかましさに、(男はその声を)聞くことができなかった。
②
〔「けり」が詠嘆の意を表す場合〕…なかったのだなあ。
出典竹取物語 御門の求婚
「げに、ただ人にはあらざりけり」
[訳] (かぐや姫の言うとおり)なるほど普通の人間ではなかったのだなあ。
なりたち
打消の助動詞「ず」の連用形「ざり」+過去・詠嘆の助動詞「けり」
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