学研全訳古語辞典 |
しほ-た・る 【潮垂る】
{語幹〈しほた〉}
①
しずくが垂れる。
出典源氏物語 早蕨
「しほたるる海人(あま)の衣に異なれや浮きたる波にぬるるわが袖(そで)」
[訳] 潮水のしずくが垂れている海人の衣服と違っているだろうか、波に漂う不安な身の上に泣き悲しむ涙でぬれた私の袖は。
②
ぐっしょりぬれる。
出典徒然草 三
「露・霜にしほたれて、所定めず惑ひ歩(あり)き」
[訳] 露と霜でぐっしょりぬれて、あてどなくさまよい歩き。
③
涙で袖(そで)がぬれる。
出典源氏物語 澪標
「いと悲しうて、人知れずしほたれけり」
[訳] たまらなく悲しくて、人知れず涙で袖がぬれたのであった。
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