学研全訳古語辞典 |
しん 【信】
①
偽らないこと。信義。儒教では「五常」の一つ。
②
信用すること。信頼。
出典徒然草 六八
「深くしんを致しぬれば、かかる徳もありけるにこそ」
[訳] 心から深く信頼をしていたから、このようなご利益(りやく)もあったのだ。
③
信仰。信心。
出典今昔物語集 一九・三九
「いよいよしんを起こして、戒を保ちて観音に仕まつりけり」
[訳] ますます信心を起こして、戒律を守って観音にお仕えした。
しん 【真】
①
真実。まこと。
出典海道記
「しんを写してもよしなし」
[訳] 真実を写しても無意味だ。
②
真理。
出典性霊集 七
「しんに帰する夕べ」
[訳] 真理に至る夕べ。
③
正式。本式。本当。
④
漢字の書体の一つ。楷書(かいしよ)。真書。
出典大鏡 伊尹
「表の方(かた)には、楽府(がふ)をうるはしくしんに書き」
[訳] 表側には楽府を立派に楷書で書き。
しん 【神】
①
神(かみ)。神霊。
②
魂。心。精神。
出典奥の細道 越後路
「暑湿(しよしつ)の労にしんを悩まし」
[訳] むし暑さの苦しみに心を悩ませ。
しん 【親】
①
親族。身内。
②
おや。両親。
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