学研全訳古語辞典 |
せ-させ-たま・ふ 【せさせ給ふ】
分類連語
①
〔「さす」が使役の意の場合〕させなさる。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「御誦経(みずきやう)などあまたせさせたまひて」
[訳] (左大臣は)僧に経を読ませなさることなどをたくさんさせなさって。
②
〔「さす」が尊敬の意の場合〕なさる。なられる。あそばす。
出典竹取物語 燕の子安貝
「せさせたまふべきやうは、このあななひをこぼちて」
[訳] (燕(つばめ)の子安貝(こやすがい)を手に入れるために)なさるべき方法は、この足場を壊して。
なりたち
サ変動詞「す」の未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」の連用形+尊敬の補助動詞「たまふ」
せ-させ-たま・ふ 【せさせ給ふ】
分類連語
…させなさる。お…せになられる。…させあそばす。
出典枕草子 うへにさぶらふ御猫は
「御鏡をもたせさせたまひて御覧ずれば」
[訳] (皇后は私に)御鏡を持たせなされて(自分の髪を)ご覧になるので。
なりたち
使役の助動詞「す」の未然形+尊敬の助動詞「さす」の連用形+尊敬の補助動詞「たまふ」
せさせたまふのページへのリンク |