学研全訳古語辞典 |
た・ぶ 【賜ぶ・給ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
お与えになる。下さる。▽「与ふ」の尊敬語。
出典徒然草 二三一
「切りぬべき人なくは、たべ」
[訳] 切るのにふさわしい人がいないならば、ください。
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
〔動詞の連用形、または、それに接続助詞「て」の付いた形に付いて〕お…になる。…なさる。…てくださる。▽尊敬の意を表す。
出典竹取物語 火鼠の皮衣
「もし、金(かね)賜はぬものならば、かの衣の質(しち)返したべ」
[訳] もしお金をくださらないのならば、あの、約束の保証として預けた衣を返してください。
た・ぶ 【食ぶ】
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
①
いただく。▽「飲む」「食ふ」の謙譲語。
出典枕草子 職の御曹司におはします頃、西の廂にて
「御仏供(ぶく)の下ろしたべむと申すを」
[訳] 仏へのお供え物のおさがりをいただこうと申し上げるのを。
②
いただく。食べる。▽「飲む」「食ふ」の丁寧語。
出典平家物語 六・紅葉
「酒あたためてたべける薪(たきぎ)にこそしてんげれ」
[訳] 酒をあたためていただいた薪にしてしまった。
注意
(1)謙譲語と丁寧語とがある。(2)同訓の語に「賜(た)ぶ」がある。
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