学研全訳古語辞典 |
と・む 【尋む・求む・覓む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
さがしもとめる。たずねる。
出典新古今集 春上
「とめ来(こ)かし梅盛りなるわが宿を」
[訳] たずねて来てほしい、梅の花が盛りの私の家を。
と・む 【止む・留む・停む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
(進むのを)とめる。
出典新古今集 冬
「駒(こま)とめて袖(そで)うちはらふ陰もなし」
[訳] ⇒こまとめて…。
②
後に残す。とどめる。
出典源氏物語 若紫
「面影は身をも離れず山桜心の限りとめてこしかど」
[訳] あの人の面影は私から離れない山桜のようだ。私の心は全部後に残して来たのだけれど。
③
つなぎとめる。
出典後撰集 秋中
「白露(しらつゆ)に風の吹きしく秋の野は貫(つらぬ)きとめぬ玉ぞ散りける」
[訳] ⇒しらつゆに…。
④
〔「心をとむ」「目をとむ」の形で〕関心をもつ。注目する。
出典源氏物語 葵
「神などは目もこそとめ給(たま)へ」
[訳] 神などが目をつけなさると大変だ。
⑤
(船を)停泊させる。(人を)宿泊させる。
出典万葉集 三六二七
「船とめて浮き寝をしつつ」
[訳] 船を停泊させてその中で寝ながら。◇「泊む」とも書く。
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