学研全訳古語辞典 |
なに-か 【何か】
分類連語
何が…か。何を…か。
出典古今集 雑下
「世の中はなにか常なる飛鳥川(あすかがは)昨日の淵(ふち)ぞ今日は瀬になる」
[訳] ⇒よのなかはなにかつねなる…。
なりたち
代名詞「なに」+係助詞「か」
どうして…か。なぜ…か。どうして…か、いや、…ない。▽疑問・反語の意を表す。
出典万葉集 三九八三
「ほととぎす月立つまでになにか来鳴かぬ」
[訳] ほととぎすは(四月の)月が改まるまでどうして来て鳴かないのか。
いやいや。どうしてどうして。いやなに。▽上の語、または相手の言葉を打ち消し、反対のことを述べるときに発する語。
出典源氏物語 玉鬘
「なにか。この身はいと安く侍(はべ)り」
[訳] いやなに(心配はいりません)。私の身はずいぶん気軽に考えております。
語法
[一]連語と[二]副詞の場合、文末の活用語は連体形で結ぶ。
なに-か 【何彼】
分類連語
何やかや。何かと。あれこれ。
出典源氏物語 柏木
「所々(ところどころ)の饗(きやう)、院の下部(しもべ)、庁(ちやう)の召次所(めしつぎどころ)、なにかの隈(くま)まで、いかめしうせさせたまへり」
[訳] (六条院内の)諸司の役人らへの饗膳は、(六条)院の下役たち、庁の召次(=雑事に任ずる)の詰所、何やかやその他下々の者たちまで、立派におさせなさる。
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