学研全訳古語辞典 |
み-す 【御簾】
神殿や貴人の御殿に用いる簾(すだれ)。▽「簾(す)」の尊敬語。
出典枕草子 雪のいと高う降りたるを
「御格子(みかうし)上げさせて、みすを高く上げたれば、笑はせ給(たま)ふ」
[訳] (女房に)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮は)お笑いになる。◆「み」は接頭語。
み・す 【見す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
ご覧になる。▽「見る」の尊敬語。
出典日本書紀 継体
「御諸(みもろ)が上に登り立ち我が見せば」
[訳] 御諸山の上に登り立って私がご覧になると。◇用例は自敬表現。
{語幹〈み〉}
①
見せる。見させる。見るようにさせる。
出典枕草子 うつくしきもの
「いとをかしげなる指(および)にとらへて、大人などにみせたる」
[訳] (幼児が塵(ちり)を)たいそう愛らしい指につまんで、大人などに見せているの。
②
嫁がせる。結婚させる。
出典源氏物語 若菜下
「宮仕へに次ぎては、親王(みこ)たちにこそはみせ奉らめ」
[訳] (大切にしている娘を)帝(みかど)への宮仕え(をさせるかそれ)に次いでは、親王たちに嫁がせ申し上げるのがよかろう。
③
占わせる。判断させる。
出典源氏物語 明石
「しのびて、よろしき日みせて」
[訳] (明石の入道は)こっそりと、(陰陽師(おんようじ)に)吉日を占わせて。
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