学研全訳古語辞典 |
むね 【宗】
主とすること。中心とすること。また、そのもの。
出典徒然草 五五
「家の造りやうは、夏をむねとすべし」
[訳] 家の造り方は、夏(に暮らしやすいこと)を主とするのがよい。
むね 【旨】
事の意味・内容。趣旨。
出典源氏物語 蛍
「言ひもてゆけば、一つむねにあたりて」
[訳] つきつめていくと、同一の趣旨にあてはまって。
むね 【棟】
①
屋根の中央部の最も高い部分。
②
「牛車(ぎつしや)」の屋形の屋根の中央に前後に渡した木。
むね 【胸】
①
胸。胸部。
②
胸部の病気。
出典枕草子 病は
「病は、むね」
[訳] 病気は胸。
③
心。思い。気持ち。
出典源氏物語 賢木
「あはれのみ尽きせねば、むね苦しうてまかで給(たま)ひぬ」
[訳] しんみりとした思いばかりが尽きないので、心が苦しくて退出なさった。◆「むな」とも。
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