学研全訳古語辞典 |
やすら・ふ 【休らふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
ためらう。躊躇(ちゆうちよ)する。
出典後拾遺集 恋二
「やすらはで寝なましものを小夜(さよ)更(ふ)けて傾(かたぶ)くまでの月を見しかな」
[訳] ⇒やすらはで…。
②
たたずんでいる。足を止めている。
出典枕草子 関白殿、黒戸より
「御佩刀(みはかし)などひきつくろはせ給(たま)ひて、やすらはせ給ふに」
[訳] 太刀の具合などをお直しになられ、足を止めておいでになると。
③
しばらくとどまる。滞在する。
出典平家物語 三・医師問答
「そのころ、宋朝(そうてう)より、すぐれたる名医わたって、本朝にやすらふことあり」
[訳] そのころ、宋の国から優秀な名医が渡って来て、日本の国に滞在することがあった。
④
休む。休息する。休憩する。
出典奥の細道 出羽三山
「岩に腰かけて、しばしやすらふほど」
[訳] 岩に腰をかけて、しばらく休息するうちに。
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
休ませる。休息させる。ゆるめる。
出典古今著聞集 三三六
「貞任(さだたふ)、くつばみをやすらへ」
[訳] (安倍(あべの))貞任は、馬のくつわをゆるめ。
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