学研全訳古語辞典 |
よもすがら…
分類俳句
「よもすがら秋風聞くや裏の山」
出典奥の細道 全昌寺・曾良(そら)
[訳] 師の芭蕉(ばしよう)と別れ一人旅になった寂しさに、床に入っても一晩中眠れず、裏山を吹き抜ける秋風の音を聞いて夜を明かしたことだ。
鑑賞
腹を病んだ曾良は、加賀の国(石川県)山中温泉で師の芭蕉と別れ、先に同地の全昌寺に宿泊してその寂しい思いを句に託した。季語は「秋風」で、季は秋。
よもすがら…
分類和歌
出典百人一首
「夜(よ)もすがら物思ふころは明けやらで閨(ねや)のひまさへつれなかりけり」
出典千載集 恋二・俊恵(しゆんゑ)
[訳] 一晩中、(つれない人のことを)思い嘆いているこの頃(ごろ)は、夜もなかなか明けきらないで、寝室の板戸の隙間(すきま)まで(朝の光をもらさず)無情であったよ。
よ-も-すがら 【夜もすがら】
夜通し。一晩じゅう。
出典孤松 俳文
「名月や池をめぐりてよもすがら―芭蕉」
[訳] ⇒めいげつやいけをめぐりて…。◆「すがら」はその間ずっとの意の接尾語。
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