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よのなかはの意味

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学研全訳古語辞典

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よのなかは…

分類和歌


出典百人一首 


「世の中は常にもがもな渚(なぎさ)漕(こ)ぐ海人(あま)の小舟(をぶね)の綱手(つなで)かなしも」


出典新勅撰集 羇旅・源実朝(みなもとのさねとも)


[訳] 世の中は、いつまでも変わらないものであってほしいなあ。渚を漕いでゆく漁師の小舟の引き綱を引くようすは、しみじみと趣が深いよ。


鑑賞

本歌は『古今和歌集』東歌「陸奥(みちのく)はいづくはあれど塩竈(しほがま)の浦漕ぐ舟の綱手かなしも」。しみじみと世の無常を深く嘆じた歌。



よのなかは…

分類和歌


「世の中は何か常なる飛鳥川(あすかがは)昨日の淵(ふち)ぞ今日は瀬になる」


出典古今集 雑下・よみ人知らず


[訳] この世の中は、いったい何が不変であろうか。何一つ不変なものはない。飛鳥川は、昨日淵であった所が、今日は瀬になっている。


鑑賞

この歌によって、淵瀬が定まらないという、飛鳥川のイメージが固定化した。「飛鳥川」の「あす」は「明日」をかけて「昨日」「今日」の縁語となっている。末尾の「なる」は係助詞「ぞ」の結びで、動詞「なる」の連体形。



よのなかは…

分類和歌


「世の中は空(むな)しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり」


出典万葉集 七九三・大伴旅人(おほとものたびと)


[訳] この世はむなしいものだと悟ったときに、私はさらにいっそう、悲しいことよ。


鑑賞

大宰府(だざいふ)に赴任して間もなく妻を亡くすなどのことがあり、それらの凶報が都から届いたようで、この世の無常をひしひしと感じて詠んだものであろう。凶事弔問の使者に与えた謝辞に添えた一首。








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