学研全訳古語辞典 |
き-ちゃう 【几帳】
寝殿造りの建物で、室内の仕切りとして立てた、移動式の布製のついたて。土居(つちい)という小さな台に、足という二本の細い柱を立て、その上に手という横木を渡して帷子(かたびら)という布を垂らしたもの。夏は生絹(すずし)・綾織(あやおり)に花鳥、冬は練り絹に朽ち木を描いたものを用いることが多かった。ふつう、高さは三尺(=約九一センチ)、幅六尺(=約一八二センチ)である。
出典更級日記 物語
「きちゃうのうちにうち臥(ふ)して、引きいでつつ見る心地、后(きさき)の位も何かはせむ」
[訳] 几帳の中に身を横たえ、(櫃(ひつ)から『源氏物語』を)取り出しては読んでゆく気持ちは后の位もなんになろうか、いやなんにもならない。
きちょう 【几帳】
⇒きちゃう
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