学研全訳古語辞典 |
ま・す 【増す・益す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
ふえる。激しくなる。
出典万葉集 三九六九
「痛けくの日に異(け)にませば」
[訳] 体の痛みが日に日に激しくなるので。
②
すぐれる。まさる。
出典万葉集 三四五
「価(あたひ)なき宝といふとも一杯(ひとつき)の濁れる酒にあにまさめやも」
[訳] 値段がつけられないほどに貴重な宝だといっても、一杯の濁り酒にどうしてまさろうか、いや、まさりはしない。◇「勝す」とも書く。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
ふやす。増し加える。
出典源氏物語 胡蝶
「色をましたる柳」
[訳] 美しさを増し加えた柳。
②
まさるようにする。
出典源氏物語 初音
「色をも音(ね)をもますけぢめ、殊になむ分かれける」
[訳] (梅の花の)色も(楽の)調べもすぐれたものにする差が、まったく違うのだった。◇「勝す」とも書く。
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