学研全訳古語辞典 |
たま-の-を 【玉の緒】
①
美しい宝玉を貫き通すひも。
出典万葉集 七六三
「たまのををあわ緒によりて結べらばありて後にも会はざらめやも」
[訳] 玉のひもをあわ緒のように結んだとしたら(=二人の仲がしっかりと結ばれていたら)、今後会わなくなるということがあるだろうか、いやないはずだ。
②
少し。しばらく。短いことのたとえ。
出典万葉集 三三五八
「さ寝(ぬ)らくはたまのをばかり恋ふらくは富士の高嶺(たかね)の鳴沢(なるさは)のごと」
[訳] 一緒に寝たのは短いあいだだけだったのに、恋いこがれていることは富士の山の鳴沢の(岩の音の)よう(に激しいもの)だ。
③
命。
出典新古今集 恋一
「たまのをよ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする」
[訳] ⇒たまのをよ…。◇「玉」に「魂」をかけ、「魂」を肉体につなぎとめる緒の意からこの意味がうまれた。
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