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用ゐるの意味

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学研全訳古語辞典

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もち-・ゐる 【用ゐる】

他動詞ワ行上一段活用

{語幹〈もち〉}


(物を)使う。使用する。役立てる。


出典徒然草 二


「衣冠(いくわん)より馬・車に至るまで、あるに従ひてもちゐよ」


[訳] 衣服や冠から馬や牛車(ぎつしや)に至るまで、すべてありあわせの物でよいとして使用せよ。


(人を)登用する。任につかせる。とりたてる。


出典源氏物語 蓬生


「世にもちゐらるまじき老人(おいびと)さへ」


[訳] 世間で使ってもらえるはずのない老女房までもが。


採用する。聞き入れる。


出典平家物語 八・山門御幸


「西国へ院宣(いんぜん)くだされたりけれども、平家もちゐ奉らず」


[訳] 西国(にいる武士たち)へ上皇のご命令をお下しになったが、平家は聞き入れ申し上げない。


参考

中古の中ごろになると、語中語末の「ゐ」と「ひ」とが混同されて、「もちひる」とも書くようになる。中世前期ごろからハ行上二段に活用する「用ふ」が生じ、さらにヤ行上二段に活用する「用ゆ」の形も使われるようになった。








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