学研全訳古語辞典 |
ぬす・む 【盗む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
盗む。妻にするために、親の許しなしに女を連れ出すことにもいう。
出典伊勢物語 一二
「人の娘をぬすみて」
[訳] 人の娘を妻にするために連れ出して。
②
ひそかに…する。忍んでする。
出典徒然草 二一九
「かやうに間々(まま)に皆一律(いちりつ)をぬすめるに」
[訳] このように(横笛は、穴の)間ごとにすべて一律(の音階)を忍ばせているのに。
③
無断でまねて学ぶ。こっそりと学び取る。
出典方丈記
「岡(をか)の屋(や)に行き交ふ舟をながめて、満沙弥(まんしやみ)が風情をぬすみ」
[訳] 岡の屋(=船着き場)に行き来する船をながめて、沙弥満誓(しやみまんぜい)(=奈良時代の歌人)の風流な趣をまねて学び。
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