学研全訳古語辞典 |
あか・る 【明かる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
明るくなる。
出典枕草子 春はあけぼの
「やうやうしろくなりゆく山ぎは、少しあかりて」
[訳] だんだんと白くなっていく空の、山の稜線(りようせん)に接するあたりが、少し明るくなって。
あか・る 【赤る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
赤くなる。赤みを帯びる。
出典万葉集 四二六六
「あかる橘(たちばな)髻華(うず)にさし」
[訳] 赤みを帯びる橘を髪飾りとしてさし。
あか・る 【離る・別る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
散り散りになる。別々になる。
出典源氏物語 空蟬
「うちそよめく心地して、人々あかるるけはひなどすなり」
[訳] ざわざわと衣(きぬ)ずれの音をさせる感じがして、人々が別れていく気配などがするようだ。
参考
「あかる」と「わかる」の違い 「あかる」は「つどふ」の反対語で、多くの人々が集まった場所から離れて別れていく意味を表し、主語が複数の場合に使われている。それに対して「わかる」は、「あふ」の反対語で、一つのものが別々になる意味が原義であり、単数の主語にも使われる。
あかるのページへのリンク |