学研全訳古語辞典 |
あや
(一)
【文・彩】
①
模様。
出典土佐日記 二・一一
「さざれ波寄するあやをば青柳(あをやぎ)の影の糸して織るかとぞ見る」
[訳] さざ波が寄せることでできる模様を、青柳の枝の影が糸となって織りなしているかと見ることだ。
②
筋道。道理。理由。
出典平中物語 二七
「などて寝られざらむ。もしあややある」
[訳] どうして寝られないでいるのだろう。もしかしたら理由があるのか。
③
(文章の)かざり。修辞。
出典三冊子 俳論
「和に習ひなし、漢にはそのあやもあることとなり」
[訳] 日本の文章に習う点はなく、漢文には(習うべき)修辞もあることだ。
(二)
【綾】綾(あや)織物。絹織物。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「上には濃きあやのいとあざやかなるを出(い)だしてまゐりたまへるに」
[訳] 一番上には濃い紅の綾織物でたいへん鮮やかなものを、(直衣(のうし)の下から)出して参上なさったところ。
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