学研全訳古語辞典 |
おどろか・す 【驚かす】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
気づかせる。注意を促す。
出典源氏物語 浮舟
「『明け果てぬ先に』と、人々、しはぶきおどろかし聞こゆ」
[訳] 「夜が明けきってしまわないうちに」と、供の者たちが咳(せき)ばらいをしてうながし申し上げる。
②
驚かせる。びっくりさせる。
出典源氏物語 若紫
「これ、ただ御手一つあそばして、山の鳥もおどろかし侍(はべ)らむ」
[訳] これ(=琴)を、ほんの一曲だけお弾きなさいまして、山の鳥もびっくりさせてやりましょう。
③
目をさまさせる。起こす。
出典宇治拾遺 一・一二
「この児(ちご)、さだめておどろかさんずらんと、待ち居(ゐ)たるに」
[訳] この稚児(ちご)は、きっと(だれかが自分を)起こそうするだろうと、待っていたところ。
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