学研全訳古語辞典 |
がね
《接続》動詞の連体形に付く。
①
〔理由〕…であるから。…だろうから。
出典万葉集 一九〇六
「梅の花我は散らさじあをによし(=枕詞(まくらことば))奈良なる人も来つつ見るがね」
[訳] 梅の花を私は散らすまい。奈良にいる人も来ては見るだろうから。
②
〔目的〕…ために。…ように。
出典万葉集 五二九
「佐保河の岸のつかさの柴(しば)な刈りそね在ありつつも春し来たらば立ち隠るがね」
[訳] 佐保川の岸の高みの柴は刈らないでおくれ。このままにしておいて春が来たら(あの人と会うときに)隠れるために。
参考
「がね」は文末に置かれるので、「終助詞」という説もあるが、倒置と考えられるので、接続助詞とする説に従う。上代語。
-がね
〔名詞に付いて〕…のためのもの。…の候補者。「后(きさき)がね」「婿がね」
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