学研全訳古語辞典 |
くだり 【行】
文章の行(ぎよう)。また、文章の内容。
出典源氏物語 常夏
「くだりの程、端(はし)ざまに筋かひて、倒れぬべく見ゆるを」
[訳] 行の具合は、端の方に斜めになって、倒れてしまいそうに見えるのを。
-くだり 【行】
…行(ぎよう)。▽文章の行(ぎよう)を数える。「三(み)くだり」
くだり 【件】
①
文章の記述の一部分。
②
(前に述べた)事項。(前述の)事項。
出典大和物語 一六八
「上(かむ)のくだり、啓せさせけり」
[訳] 前述の事項を(后(きさい)の宮に)申し上げた。
くだり 【下り】
①
(高い所から)下ること。また、流れの上(かみ)から下(しも)へ行くこと。
②
ある時刻(時間帯)の終わりごろ。
出典宇治拾遺 一一・九
「申(さる)のくだりになり候ひにたり」
[訳] 申の刻の終わりごろになってしまいました。
③
都から地方に行くこと。下向(げこう)。
出典源氏物語 賢木
「斎宮の御くだり近うなりゆくままに」
[訳] 斎宮の(伊勢への)ご下向が近づいてくるにつれて。
④
(京都で)北から南へ行くこと。▽内裏(だいり)が北にあることからいう。
出典義経記 三
「堀河をくだりに行きければ」
[訳] 堀河から南に行くと。
-くだり 【領・襲】
…そろい。▽装束などのそろっている物を数える。「装束一くだり」
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