学研全訳古語辞典 |
く・む 【汲む・酌む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
すくい取る。くむ。
出典竹取物語 蓬莱の玉の枝
「銀(しろかね)のかなまりを持ちて、水をくみ歩(あり)く」
[訳] 銀のおわんを持って水をくんでまわる。
②
注ぎいれる。飲む。
③
人の心中を思いやる。あれこれ推察する。
出典源氏物語 蛍
「げに、いつはり馴(な)れたる人や、さまざまにさもくみ侍(はべ)らむ」
[訳] いかにも、作り言(ごと)ばかりする人が、さまざまにそのように(物語を)推察するのでしょうか。
く・む 【組む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
組み合う。組み討ちする。
出典平家物語 九・知章最期
「むずとくんでどうど落ち」
[訳] ぐいっと組み合ってどうっと(二人いっしょに馬から)落ち。
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
織る。編む。
出典宇津保物語 俊蔭
「青葛(あをつづら)を大きなる籠(こ)にくみて」
[訳] 青葛のつるを大きなかごに編んで。
②
組み合わせて作る。作り構える。
出典方丈記
「土居(つちゐ)をくみ」
[訳] 土台を組んで作り。
くむのページへのリンク |