学研全訳古語辞典 |
さう-ぞく 【装束】
①
衣服。服装。また、衣服を身につけること。
出典徒然草 一九一
「夜は、きららかに、はなやかなるさうぞく、いとよし」
[訳] 夜は、きらびやかで華麗な衣服が、たいそうよい。
②
支度。用意。また、支度をすること。
出典大鏡 花山
「参りて奏せむ。車にさうぞくせよ」
[訳] 宮中に参上して帝(みかど)に申し上げよう。車に外出の用意をせよ。
③
飾り。また、飾ること。
出典源氏物語 若紫
「金剛子(こんがうじ)の数珠(ずず)の、玉のさうぞくしたる」
[訳] 金剛樹の木の実の数珠で、玉が飾りつけてあるもの。◆「しゃうぞく」とも。
さう-ぞ・く 【装束く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
身に着ける。装う。着飾る。
出典枕草子 正月に寺にこもりたるは
「裳(も)・唐衣(からぎぬ)など、ことごとしくさうぞきたるもあり」
[訳] 裳や唐衣などをおおげさに着飾っている女房もいる。
②
支度する。装備する。整える。
出典源氏物語 胡蝶
「唐(から)めいたる舟、作らせ給(たま)ひける、急ぎさうぞかせ給ひて」
[訳] 唐風の船をお作らせなさったのを、急いで整えさせなさって。
参考
名詞「装束(さうぞく)」の語末を活用させて動詞化した語。
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