学研全訳古語辞典 |
さうら・ふ 【候ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
お仕えする。伺候する。おそばにいる。▽「あり」「仕ふ」の謙譲語。
出典平家物語 九・木曾最期
「兼平(かねひら)一人(いちにん)さうらふとも、余の武者千騎とおぼしめせ」
[訳] この兼平一人だけがおそばにお仕えしても、他の千騎の武者にも劣らないとお考えくださいませ。
②
あります。ございます。▽「あり」の丁寧語。
出典平家物語 七・実盛
「事のたとへさうらふぞかし」
[訳] 事のたとえがございますよ。
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
〔活用語の連用形、または接続助詞「て」の下に付いて〕…ます。…ございます。▽丁寧の意を表す。
出典徒然草 二一五
「これぞ求め得てさうらふ」
[訳] これを見つけることができました。
参考
中世以降「さぶらふ」から変化した語。『平家物語』では男性は「さうらふ」、女性は「さぶらふ」を使用している。
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