学研全訳古語辞典 |
し-を・る 【枝折る・栞る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
木の枝を折って道しるべとする。
出典山家集 上
「降る雪にしをりし柴(しば)も埋(うづ)もれて」
[訳] 降る雪のせいで枝を折って道しるべにした柴も埋もれて。
②
道案内をする。
出典千載集 春上
「咲きぬやと知らぬ山路に尋ね入(い)る我をば花のしをるなりけり」
[訳] 咲いているかと、見知らぬ山道に尋ね入った私を花が道案内をするのであることよ。
しを・る 【萎る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
草木などがしおれる。
出典犬子集 俳諧
「しをるるは何かあんずの花の色―貞徳」
[訳] 可憐(かれん)なあんずの花がしおれている。その悲しんでいるようなようすは、いったい何を案じているのだろうか。
②
悲しみにうちひしがれる。しょんぼりする。
出典源氏物語 若菜下
「嘆きしをれ給(たま)へるころほひにて」
[訳] 悲しみ、しょんぼりしなさっている時なので。
③
ひどくぬれる。ぬれてぐったりする。
出典新古今集 恋二
「幾夜われ波にしをれて」
[訳] 幾夜、私は波にひどくぬれて。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
草木などをしおれさせる。
出典増鏡 新島守
「木枯しの隠岐(おき)の杣山(そまやま)吹きしをり」
[訳] 木枯しが隠岐の島の木の茂った山を吹きしおれさせ。
しを・る 【責る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
しかってこらしめる。なじりとがめる。
出典伊勢物語 六五
「蔵にこめてしをりたまうければ」
[訳] 蔵に押しこめてこらしめなさったので。
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