学研全訳古語辞典 |
せ・く 【咳く】
活用{か/き/く/く/け/け}
せきをする。
せ・く 【塞く・堰く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
せき止める。おさえとどめる。
出典源氏物語 幻
「いとせきがたき涙の雨のみ降りまされば」
[訳] (亡くなった紫の上をしのんで)とてもせき止めがたい涙の雨ばかりが降りつのるので。
②
邪魔をする。妨げる。
出典枕草子 あはれなるもの
「思ひかはしたる若き人の中の、せくかたありて心にもまかせぬ」
[訳] 好きあっている若い男女の仲で、邪魔をするものがあって思うようにならない(というのもかわいそうだ)。
せ・く 【急く・逼く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
いそぐ。あわてる。あせる。
出典禁野 狂言
「そなたがその様(やう)におしゃると心がせくによって」
[訳] あなたがそのようにおっしゃると心があせるので。
②
いらだつ。嫉妬(しつと)する。
出典出世景清 浄瑠・近松
「はっとせきたる気色(けしき)にて」
[訳] はっといらだったようすで。
活用{か/き/く/く/け/け}
せかす。いそがせる。せきたてる。
出典平家女護島 浄瑠・近松
「『…さあ立ち退(の)け』とせきければ」
[訳] 「…さあ立ち退け」とせきたてたので。
せ-く 【節句・節供】
「せっく」に同じ。◆「せっく」の促音「っ」が表記されない形。
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