学研全訳古語辞典 |
て-も
分類連語
①
…ても。…の状態でも。
出典源氏物語 桐壺
「朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし」
[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)は帝(みかど)のご寵愛(ちようあい)を一身に受けたため)朝晩のお勤めにつけても、他の女御(にようご)や更衣たちの心をひどく動揺させ。
②
たとえ…ても。…たとしても。▽逆接の仮定条件を表す。
出典徒然草 三〇
「年月経ても、つゆ忘るるにはあらねど」
[訳] たとえ長い年月が経過しても、(亡くなった人のことを)少しも忘れるわけではないけれども。
③
…したにもかかわらず。…けれども。▽逆接の確定条件を表す。
出典源氏物語 桐壺
「夜の御殿(おとど)に入らせ給(たま)ひても、まどろませ給ふことかたし」
[訳] (帝は)ご寝所にお入りになるけれども、(桐壺更衣との死別の悲しみで)うとうととなさることもむずかしい。
なりたち
接続助詞「て」+係助詞「も」
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