学研全訳古語辞典 |
に-して
分類連語
…において。…で。…に。▽場所・場合・時などの意を表す。
出典方丈記
「三十(みそぢ)あまりにして、更にわが心と一つの庵(いほり)を結ぶ」
[訳] 三十歳過ぎで、改めて自分の心のままに一軒の庵を建てる。
なりたち
格助詞「に」+格助詞「して」
に-して
分類連語
…で。…であって。
出典奥の細道 旅立
「月日は百代の過客にして」
[訳] 月日は永久に旅を続ける旅人(のようなもの)であって。◆漢文訓読体の文章や和歌に用いられる。「にて」に同じ。
なりたち
断定の助動詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「して」
に-し-て
分類連語
…にして。
出典古今集 冬
「竜田川(たつたがは)錦(にしき)織りかく神無月(かんなづき)時雨(しぐれ)の雨をたてぬきにして」
[訳] 竜田川(の紅葉)は錦を織って掛けたようだ。神無月の時雨をたて糸と横糸にして。
なりたち
格助詞「に」+サ変動詞「す」の連用形+接続助詞「て」
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