学研全訳古語辞典 |
まづ 【先づ】
①
初めに。まっさきに。第一に。
出典万葉集 八一八
「春さればまづ咲く宿の梅の花」
[訳] 春になるとまっさきに咲く、この家の梅の花。
②
何はさておき。ともかくも。とりあえず。▽多く命令文に用いる。
出典徒然草 八七
「『口づきのをのこに、まづ一度(いちど)せさせよ』とて、酒を出(い)だしければ」
[訳] 「馬の口取りの男に、とりあえず一杯飲ませよ」といって、酒を出すと。
③
〔否定の表現を伴って〕いっこうに。どうにも。
出典今昔物語集 二八・七
「まづ心も得ぬ事なれば」
[訳] いっこうにわけがわからないことなので。
ま・づ 【詣づ】
「まうづ」に同じ。◆「まうづ」の変化した語。
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