学研全訳古語辞典 |
をち 【彼方・遠】
①
遠く隔たった場所。遠方。かなた。
出典古今集 離別
「白雲の八重(やへ)に重なるをちにても」
[訳] 白雲が幾重にも重なる遠方であっても。[反対語] 此方(こち)。
②
それより以前。昔。
出典拾遺集 雑賀
「昨日よりをちをば知らず」
[訳] 昨日よりそれ以前のことはわからないが。
③
それより以後。将来。
出典万葉集 三七二六
「このころは恋ひつつもあらむ玉匣(たまくしげ)(=枕詞(まくらことば))明けてをちよりすべなかるべし」
[訳] この数日は恋しながらもこうしているでしょう。夜が明けた後からは(あなたがいなくなって)どうにもしようがないでしょう。
をち 【復ち】
もとに戻ること。若返ること。
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